とろける恋のヴィブラート
 脚光とスタンディングオベーションの有頂天から、奈落の底へ突き落としたあの言葉を思い出し、奏はハッとして我に返った。


 ひとりでにエアピアノを弾いていた指をピタリと止めて、どんよりとした虚無感にハァと思わずため息を漏らした。
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