とろける恋のヴィブラート
 ※ ※ ※

 奏は、滅多にお目にかかることのできない高価なピアノに指を走らせ、自分が華やかなコンサートホールで演奏をしている姿を想像しながら、なだらかなメロディに夢中になっていた。


 試しに先程もらったピアノ伴奏の譜面を弾いてみる。どれも有名な曲ばかりで、パーティー参加者にも馴染みのあるものばかり選曲してあるのがわかる。


 気分がノリに乗っていた奏は、G線上のアリアのピアノ編曲を弾き始めた。
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