瞳の中の碧い海



「それでも私…
 会って欲しかったな…」


「ならそう言えば
 良かったんだよ。

 自分から会いたいって
   連絡したのか?」


「してない…」


「だったら翼パパは
 
 翼にもう嫌われちゃったと
 思ってるかもしれないな?
        
        違うか?」



涙が止まらなくなってきた。
棗の言う通りだと思った。


なぜ今までそこに
気付かなかったのだろう。


会いたいと言っても
会ってくれなければ


その時初めて
パパの真意が
分かるはずなんだ。



目の前で泣いても



棗は顔色ひとつ変えずに
食事を続けている。



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