瞳の中の碧い海
「あー、退屈」
ストレスが
溜まってきているのか
眉間にしわを寄せて
不機嫌そうだ。
体を持て余して
ソファの上で
ゴロゴロむずがっている。
「翼、こっちおいで」
まただ…と思ったけど
素直に従った。
結局健ちゃんから
棗に変わっただけで
これは変わらないんだな。
食べるか寝るか
テレビを観るか
セックスするか。
私達がこの薄暗い部屋の中で
出来ることといえば
それくらいだった。
その中で
私が一緒にいる意味があるのは
セックスだけ。
だから
求められたら拒否できない。
帰れと言われるのが
怖かった。
少しずつ少しずつ脱がされて
弄ばれていく。
ちょっとずつ体をいじっては
反応を愉しんでいるようだ。
彼にとって私は
退屈しのぎの
おもちゃみたいだね。