瞳の中の碧い海
まだ繋がったまま
終わりのキスを
繰り返している時だった。
もう日曜の夕方になっていた
その時
棗の携帯が鳴った。
慌てて体を引き離して
彼は電話に出る。
ぼそぼそと話すその様子は
酷く畏まった様子に見える。
電話を切った途端
今まで見たこと無いような
明るい表情になった。
「翼、出かけよう。
どこがいい?」
「へ?今から?」
「そう、解禁だ!」
解禁って…
今まで誰に
拘束されていたんだろう?
電話の相手は一体誰なの?
謎の多い人だ。