瞳の中の碧い海



どこがいいか言えと
せっつかれて


じゃあ
ドライブがいいと答えてみた。


「今からだったら夜景だな」


「毛無峠かな?」


「毛無峠は
  ヤンキーが多いから
    藻岩まで行こう」


その薄い色の瞳は
光に弱いのか
サングラスを掛けた。



サングラスも似合うけど
その大きなきれいな瞳が
隠れてしまうのは
もったいないな。



久しぶりに深緑色の
猫ちゃんマークの発進だ。



国道5号線を札幌方面へと
ジャガーは
滑らかに走り抜ける。


宮の沢から右折して
山道を駆け上がっていく。


私たちの通った
高校のそばを通り過ぎる。



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