瞳の中の碧い海



藻岩山に着いた頃には
すっかり陽が暮れて
いいタイミングだった。


手を繋いでもらって


展望台へと上っていく。


山頂展望台に棗が姿を現すと


そこにいる人が
ふっと彼に注目する。


それまで夜景を楽しんでいた
カップルも観光客も




通り過ぎる彼の横顔を




目で追い始める。



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