瞳の中の碧い海
「あいつは正義を
振りかざすから嫌いだ」
帰りの車の中で
棗は健ちゃんのことを
こう非難した。
「なんとなく…
言いたい事は解る…」
「ホントに解ってる?」
「うん、健ちゃんの言うこと
いつも正しいけど…
そうじゃないんだよって
時があるから」
「そう。世の中は
正しいことだけで
出来てないの。
正しい理屈だけ
突きつけられても
それが真実とは限らないのに
あいつはそれを
認めないから嫌なんだ」
「それって
健ちゃんが悪いのかなぁ?」