瞳の中の碧い海


「いや、
 あいつも今に分かるよ。
 世の中
 それだけじゃないって」


「大人になるって
  ことかなぁ?」


「世の中の汚い部分を見ないで
 育ってきたんだろう。
 
 それは別にいいからさ、
 オレにまで押し付けんなよ
 ってこと。
 
 じゃなきゃオレも
      何も言わないよ」


「棗はどうして
 私の味方をするの?」


「別に。翼はオレに
 似てるなと思っただけ」


「私が?
 どういうところが?」


「なーんとなく、ね」


やっぱり肝心なところは
ちゃんと話して
くれないんだな…。




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