瞳の中の碧い海


その日も結局
家には帰らず


棗のマンションで
一緒に眠った。



深夜に棗が
息を荒くして飛び起きた。



それで私も
目が覚めてしまったけど
寝たふりをしていた。



「はぁ…はぁ…」



苦しそうに
肩で息をしながら
彼は頭を抱えた。



怖い夢でも
見たのかな…?



酷く汗をかいたみたいで
顔を拭って洗面所へ向かう。

薄明かりの中
バシャバシャと顔を洗っている
音が聞こえる。



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