瞳の中の碧い海


それから一週間
家には帰らなかった。



棗の部屋から
学校へ行って
棗の部屋に帰る。



ご飯を一緒に食べて
一緒にお風呂も入って
一緒に眠るけど



棗はその間
何もしてこなかった。



家出をしてからちょうど
一週間目の夜


おやすみなさいを言って
電気を消した直後


「あの…
 そろそろ限界なんだけど」


隣でボソッと呟く声。


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