瞳の中の碧い海



「え?何が?」


「何がって…冷たいね」


「冷たいって何が?」


「もうそろそろしてもいい?」


「え?我慢してたの??」


「そりゃ…
 オレもまだまだ若いからさ」


「言ってくれれば
  よかったのに…」


「…だって翼は
  イヤなんでしょ?」


彼がそんな
可愛いことを言うのは初めてで


なんだか嬉しくなってくる。


愛おしくてたまらなくなる。



「嫌じゃないよ?」


「ホント?
 じゃあいただきます!」


首筋に噛み付いてくる
彼の頭を
ギュッと抱きしめた。



すごく幸せだなぁ…と
思いながら。



それなのに




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