瞳の中の碧い海



夜中に苦しそう
なうめき声で目を覚ます。



「う……うぅ…」



隣で棗が
苦しみ悶えていることに
気が付いた。



「棗、どうしたの?」



慌てて声をかけ
揺り起こすと


大きな瞳が開いて
恐怖に怯えたような
表情を浮かべている。



はぁ、はぁ…と



息が上がっている。



隣に私を見つけたらしく



「あぁ…翼…」と



力なく
名前を呼んだ。


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