瞳の中の碧い海


ホッとしたように
溜息をひとつ吐いた。



フラフラと
ベッドを抜けて
彼は洗面所に向かう。



ただ
水道の流れる音だけがして
しばらく戻って来なかった。


水の音に紛らせながら
また声を殺して
泣いているのだろうか?


再びベッドに
戻って来た時には
いつもの棗に戻っていた。


どうしたの?と訊いても


疲れてるのかなと言っただけ。



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