瞳の中の碧い海



捕獲された私は
ママに引き渡され、
棗はとっとと帰ってしまった。


家に入ってからも
ママはまだ
驚きの表情を隠せないでいる。


口なんて
ポカンと開いたままだ。



「いやぁ~!
  きれいな子ねぇ!!」



ママの発言に
思わず拍子抜けしてしまう…。



「あれじゃあ多少
 女癖悪くても仕方ないわ!
  ママなんだか納得~!」


「そんなとこ
  納得しないでよ…」


「そしてあの車!
 スーツもポールスミスだし…
  翼ちゃんやるじゃない!」


ママの目が
キラキラと輝いている。


曲りなりにもすすきので
クラブのママを
しているだけあって


その辺を見る目は肥えている。


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