瞳の中の碧い海
函館に着いてみると
お天気は晴れだった。
棗の態度が豹変する。
「おっ、いいね。
レンタカー借りようか」
すっかり機嫌が良くなり
運転もする気になった様子。
その時は
彼はお坊ちゃんだから
わがままなんだろうな
くらいにしか
思っていなかった。
車を借りて
クラシカルで美しい
函館市内を
いろいろドライブする。
函館が初めての棗に
私が精一杯の案内をした。
陽が暮れてから
函館山の夜景を見に行く。
彼はそれを非常に
楽しみにしていた。