瞳の中の碧い海



あおいの『好き』なんて
もう何回も聞いた。


優しくしてくれれば
誰でもいいんだろうと
思っていたし


例えそれが本当でも
家族愛だと思っていた。



「エッチなことは
 好きな人とするって
 ナツが言ったのに」


「そうだよ」



あおいは
ポロポロと涙をこぼした。



「ナツはあおいのこと
 好きじゃないんだ…」


「いや、あおいのこと
  好きだけどさ…」


「うえぇ――ん」



自分で言った事に
自分で困ってしまう。


こんな子供みたいな奴と
やる気になれねぇよ。


どーしよう?




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