瞳の中の碧い海
「ああもうわかったから
あおいの好きにしていいよ」
「ほんとう?」
「ほら、おいで」
あおいは大喜びで
胸に飛び込んでくる。
されるがままになりながら
棗はしまった!と思った。
あおいはその道では
一応プロだったからだ。
自分も年齢の割に
経験値の低い方では
ないと思うんだけど…
それでも
あおいの豹変ぶりには
敵わなかった。
「ナツ、幸せ…」
棗の腕の中で
あおいは目を細める。
その顔はいつもの
子供のような
表情じゃなかった。