瞳の中の碧い海


自分の子供かどうか
いまひとつ確信が持てない。


それにまだ学生の棗にとって
ただでさえ子供は居ても困る。


やるなら早いうちがいいと
堕ろさせようとした。



あおいは狂ったように泣いた。



「イヤ!お母さんになりたい!
 赤ちゃんを殺さないで!!」


「もう少し経って
 お嫁さんにいってから
 じゃないとお母さんに
 なれないんだよ?」


「そんなのウソだ!」


「嘘じゃないって」


「あおいは…
 およめさんにはなれない」


「え!?」


「あおいは
 普通の子じゃないから
 バカだから…

 誰もおよめさんには
 してくれないんだよ!!」



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