瞳の中の碧い海



ママの店に入るなり


棗は
ひざまずいてバラの花を手渡し
ママの手の甲にキスをした。


ママの店は普段
学生が出入りするような
お店ではないので


お客も従業員も年齢層が高い。


当然私たちなど子供扱いだ。


突然の美少年の登場に
お店は騒然、
ママは大変ご満悦だ。



ホントによくやるよ…と
呆れてしまう。



「ママのお嬢さんの彼氏なの?
    ホストかと思ったよ」



みんなにそう言われて
棗は笑って言った。



「じゃあホストやろうかなぁ」




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