瞳の中の碧い海


2時間ほど
愛敬を振りまいてから
棗はそろそろ帰ろうと言った。



「えー?翼たち
  もう帰っちゃうの?」



ママが寂しそうに言う。



「お嬢さんをお送りしないと
    いけませんからね」


「そんな事言って
 お持ち帰りする気でしょ?」


「お許しが出たので
 では遠慮なくそうします」



棗はまた
楽しそうに笑う。


ホント雨が降ってないと
調子のいいこと!


呆れてしまう。



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