瞳の中の碧い海
「写メ撮ろうっと」
「翼…辛くないの?」
「私が?」
「うん…」
「辛くないよ、平気」
「オレ、やっぱりあおいのこと
思い出してしまうよ?」
「そんなの当然じゃない。
私もあおいさんの事
想いながら見ているよ?」
「…ありがとう」
彼の想いが
天国のあおいさんに
届けばいいなと思っていた。
実際に手を繋いで
この景色を
一緒に見ているのは私で
なんだか申し訳ないよ。
そして出来ることなら
彼のそばに居ることを
あおいさんに
許してもらいたい。
ずっとそばに居たいの。
心は永久に
手に入らなくても。