瞳の中の碧い海


天気が悪くなると
立場は逆転する。



少しの雨なら
元気がなくなる程度だけど



大雨になると
強烈な不安が彼を襲う。



今度は私が彼を抱いて



お母さんのように
優しくあやす。



「オレもうまともな生活
   できないのかな…」


「大丈夫よ
 そんなこと心配しないで」


「幸せになっちゃ
 いけないんだよな…」


「それは違うよ。あおいさんは
   そんなの望んでないわ」



ずいぶん弱音を
吐くようになった。


前より
酷くなっているのかな?


いや、違う。


ずっと独りで耐えていたんだ。



やっと誰かに
言えるようになったんだ。



助け合って
協力してやっていける…



きっと大丈夫。



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