瞳の中の碧い海
「人を殺したって噂があるのは
どうしてだって訊いたら…
それは翼に訊けって」
「噂は間違いだよ…
棗は交通事故に遭っただけ」
「あいつも
いろいろあるんだな」
「そうみたいね」
「二人が納得してるんなら
もうオレは何も言わねぇよ。
ただ…心配はするよ
幼なじみとして」
「ありがとう…」
「でもやっぱ
早坂は嫌いだけどな!」
時間が少しずつ
問題を解決してくれていた。
後期の授業が始まってから
1年女子の中にも何人か
友達ができ始めて
そして北海道の秋は
足早に過ぎて冬が来る。