瞳の中の碧い海

閃光



それは


爽やかな夏を
迎えた頃だった。


健ちゃんと棗の
ゼミが終わるのを


私は恵美ちゃんと
一緒に待っていた。


今日は天気いいし暑いね?
なんて話して


強くなってきた日差しの中
ベンチでアイスを食べながら。



遠くには入道雲が見える。




「そろそろ終わる頃だね」




私と恵美ちゃんは
彼らを迎えに移動する。




「あっ、雨」




恵美ちゃんがそう言った矢先



真っ黒い雲が
急に私達を包んだ。



―――夕立!?―――



それはマズいよ!



私達は走って
講義棟に駆け込む。



間もなくして
激しい雨が降り出す。




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