瞳の中の碧い海


「早坂なんか好き勝手に
  生きてるように
   見えたんだけどな…」


健ちゃんが
ポツリと言った。



「でももう仕方ないじゃん。
      早く忘れろよ」


「それは無理よ。
  翼、諦めなさい」


「おばさん、
  忘れるのと諦めるのと
     どう違うのさ?」




健ちゃんには分からなくとも



私には
ママの言うことが分かる。





忘れられたら苦労しない。




後は諦めるしかない。






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