瞳の中の碧い海


そんな時
小さな教室のドアが

バン、と開いて

誰かが入ってきた。



それは色が白く
栗色の髪をした
男の人だった。


男の人なのに
女の子のようにきれい。


その人は
私の座っている机の上の
書類や本の類を
ガサガサ漁り出した。


「場所よけましょうか?」
と声をかけると


ぱっちりとした大きな瞳で
一瞬こちらを見たのに
返事はない。


その大きな瞳には
びっくりするほど長い睫毛が
きれいなカールを作っている。


ハーフの人みたい…と
思わず見とれてしまった。



机の上から
お目当てのものを
何か見つけると

今度は本棚の方へ行き
何か探している様子。



ただちょっと気になるのが



この人が入ってきた途端
カナちゃん達3人が
一瞬無言になってしまった。




< 42 / 377 >

この作品をシェア

pagetop