瞳の中の碧い海
よく分からないまま
何かが終わって
重なったまま
棗がニヤリとして
「ごちそうさまでした。
美味しくいただきました」
と言った。
やっぱりこれ…
遊ばれているよなあ…
と実感。
「痛かった?」
小首をかしげてそう聞く彼は
年上だけど
少し可愛いと思った。
「思ったより痛くなかった。
何か変な感じ」
「じゃあ、良かった?」
「良くはないね…」
「もうちょっとしたら
良くなるから。
もう少し辛抱しな」
頭をぽんぽんと
優しく叩かれると
彼は体を離して
服を着始める。
ほんの少しの距離だけど
離れるのが寂しくて嫌だった。