瞳の中の碧い海



お腹が空いたから
ピザを取ろうと

棗は言った。


宅配ピザと缶ビールの
夕食を一緒に摂る。


健ちゃん家で
ご飯を食べる以外に
誰かと一緒に夕食を摂るのは
久しぶりだ。


大きな薄型テレビで
ケーブルテレビらしき
観たこともない番組を観る。


食事が終わると棗は

お風呂に入りたいから
お湯を張ってきて

と言った。


バスルームがこれまた立派。


バスタブにはジャグジーと
テレビが付いていて、
そこにある窓からも
海が見渡せる。


思わず

はぁー

と溜息が出てしまう。


「お湯が溜まったよ」


と報告に行くと


「じゃあ一緒に入ろう」


彼がまたニヤリと笑う。



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