瞳の中の碧い海
結局朝方まで
ずっとそんな状態で
くたくたになって
そのまま眠ってしまった。
少し経ってから
不意に目を覚ますと
隣で完璧に美しい寝顔が
静かな寝息を立てている。
閉じられた大きな瞳の
上下の睫毛は
やっぱりものすごく長くて
天然のカールがついている。
ビューラーいらずだな…
うらやましい。
隣に他人の寝息があるだけで
なんだか少しだけホッとする。
その肩にすり寄ってみると
無意識のくせに
肩を抱いてくれた。
誰かの体温って
こんなに温かいのかと
嬉しくなる。
胸にずっと空いていた
大きな穴が
少しずつ
埋まっていくのを感じた。
それがなぜ
ずっとそばにいてくれた人
ではなくて
素性も良く知らない
この人なのだろうか。