ブラックレター~高嶺の花に恋します~
そう思うようになってから、俺はこの手紙が届くのが楽しみになったのだ。
まるで気分は学生時代のよう。
きっと彼女がこの言葉以外の言葉を自発的に書く日はこない。
俺がどんなドラマに出ようとも、たとえ映画の主演をしたとしても。
彼女がこの言葉以外を書くことはないだろう。
それだけはなんとなくわかる。
でも、それでいい気がするんだ。
「これが一番嬉しかったりするんだけどな」
何だかんだでこの言葉が一番嬉しかったりするから。
どこがとか、何がじゃなくて無条件なこの言葉が。
真っ直ぐに俺のところまで届く気がするのだ。
そしてそんな一言は俺の活力になる。
「…もうひと頑張りしますか」
たったその四文字が力をくれていること。
君はまだ知らない。