ブラックレター～高嶺の花に恋します～

(さて…なんて書いてあるのか)




何となくだが､返事の想像は出来ている｡


というよりも俺がそれを求めているのかもしれない｡

彼女がその答えをくれることを｡


もちろん彼女の返事がどんな言葉だったとしても受け止めるつもりではあるけれど｡

でも凄く､期待しているのだと思う｡


そんなことを思いながら､俺は神崎が戻ってこないうちにと一人そっと封筒を開けた｡


カサリ


中からはいつも通りの二つ折りになった白い便箋｡

それをゆっくりと広げる｡


そして




「…ぷはっ！」




そこに書いてあった想像通りの言葉に俺の口からは自然と笑いが漏れていた｡




『どこが好きかはわかりません｡ただ直感が､この人がいいと言いました』