ブラックレター~高嶺の花に恋します~
「…やっぱりって感じだな」
ある意味、社内で噂になっているストーカー予備軍という呼び方はそこそこ当たっているのかもしれない。
もっとも、彼女が自ら法を犯すとは思えないけれど。
(いや、違うか)
俺のためなら法すら見なかったことにしてしまうかもしれない。
それくらい純粋な想い。
それ故に彼女は盲目的だとも言える。
とても重い愛情だと思った。
けれどそれをどこかで心地いいと思ってしまっている俺はどうかしている。
それから俺は不定期にではあったが何通かの手紙を彼女に送った。
彼女からの返事はいつも必ずすぐに届いて。
その他にも彼女が決まって送ってくる週に一度のブラックレターも変わらずに続いていた。