ブラックレター~高嶺の花に恋します~
『もし僕が犯罪者ならどうしますか?』
そんな何とも言えない問いに答えたのが五日前のこと。
最初にその内容を見たときは正直驚いたけれど。
でもその答えに悩むことはなく、ペンはすぐにその答えを書き出した。
だって悩むことなんかない。
私は例え彼が犯罪者だったとしても、彼が好きなのだ。
嫌うことなんて出来るわけがない。
まぁもっとも、この手紙の相手が本当に相沢さんだったらと仮定しての話ではあるが。
違う人なら話は別だ。
その場合私はかなり危険な返事を書いたことになる。
私は彼だからこの答えを持つことが出来るのだ。
私は相沢さんが例え何者であったとしても、やっぱり好きなんだと思う。
どうやったって、好きなんだと思う。