ブラックレター~高嶺の花に恋します~
「真麻ー郵便受け取ってきてー!」
ゴロゴロとベッドの上を転がりながらうだうだそんなことを考えていれば、下から聞こえてきたお母さんのそんな声。
その声にそういえば今日はまだ郵便受けすら見ていない。
つまり一度も日の光に当たっていないのだと気付く。
「…はーい」
一日一回は日光に当たれ。
それがここ最近の主治医との約束だ。
そのため私はお母さんの言葉に返事をして、(限りなく面倒臭いが)玄関先へと降りていった。
今日は完全に引きこもりだった私。
夕方の日も陰るような時間になって初めて家から外に出る。
もちろん部屋着だ。
言われてみれば、今日はテレビも見ていない。
一日何をしていたのか自分でも謎である。