ブラックレター~高嶺の花に恋します~
私のこの世界は広がるだろうか。
彼という存在を目指して。
彼という存在を中心に、広がっていけるだろうか。
そうだったらいいと、心の中で強く強く思った。
「っていっても何から始めたらいいのかねぇ…」
うーんと首をかしげる絢子と一緒になって首をかしげる。
なんといっても相手は雲の上の存在だ。
出来ることなんてたかが知れてるかもしれない。
近付けるなんて到底思わない。
それはわかってる。
でも。
「まぁ、やれることだけはやってみましょ!」
そう力強く言った絢子の言葉に頷いた私は、やっぱり少しでも彼に近付きたいと願っているのだ。
こうして私の果てしなき片想いは始まった。