ブラックレター~高嶺の花に恋します~




どうだと言わんばかりに胸を張って得意気な顔で話す絢子に突っ込みを入れれば、即納得いかないといった声が返ってきた。


しかし納得いかないのは私の方である。


だって、だってそんなことあるはずないじゃないか。




「だってあんな素敵な人なんだよ!?恋人の一人や二人や三人いてもおかしくないもんっ!」




そうだ。あんな素敵な人に恋人がいないはずがない。

もしいないっていうならこの世の中間違ってる。


だってあんなにも輝いている人なのだ。

人を魅了する瞳を、雰囲気を持っている人なのだ。

全身から色気を放っているような人なのだ。


女の人のほうが放っておくはずないもの。


あの眼差しに見つめられて、あの唇で囁かれて落ちない人などいるはずがない。




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