ブラックレター~高嶺の花に恋します~
その翌日。
「ぶははははは!!!!なになに真麻、昨日テレビに出てた俳優見て結婚したいって言ったんだって!?」
「うるさい絢子。笑うんだったら帰って」
一体どこからその話を聞き付けてきたのか。
朝から部屋に駆け込み開口一番にそう大爆笑したのは、幼馴染みの絢子だった。
あぁこれは、おばさんにも知られてるな。
お母さんが喋ったんだろうな、多分。
絢子は都内の大学院に通っている、引きこもりがちな私とは正反対の成績優秀で元気な女の子である。
ついでに艶やかな黒髪を揺らす超絶美人。もちろんモテる。
そんな誰からも好かれそうな彼女は、もう20年近くもこんな私と仲良くしてくれる唯一無二の自慢の親友だ。