ブラックレター~高嶺の花に恋します~
「相沢さーん!こんばんはー!」
聞こえてきた声に、もうそんな時間かと奥の部屋にいた俺は読んでいた台本を閉じた。
今日はマネージャーが来ると言っていたのを思い出して部屋の奥から顔を出す。
「これ、今回の分です!」
そう言って元気よく段ボールを自宅まで持ってきたのは予想通りマネージャーの神崎くんだった。
今年俺のマネージャーになったばかりの彼。
黒髪短髪の好青年だ。
まだまだ若い彼はとにかく働き者で。
本当によく働く。
そして驚くほど元気だ。
声が大きすぎるのが玉に瑕だが。
それでも大したものだと思いながら、俺はいつものようにその箱を受け取った。
「お疲れ。ありがとな」
「いえいえ全然余裕ですよ!相沢さんこそお疲れ様っす!」