ブラックレター~高嶺の花に恋します~
「ごめんごめん。でも何で突然?なんていう人なの?」
部屋に入ってくるなり私を指差して大爆笑した絢子は、スタスタと窓の方に歩み寄り躊躇うことなくカーテンを開けた。
部屋の主である私になんの断りもなく。
瞬間差し込んできた日差しの眩しさに、ベッドの上で蹲っていた私は思わず眉をしかめた。
「…眩しい。いきなりカーテン開けないでよ」
「開けないとあんた日光浴びないでしょう?」
そんなことないと思い文句を言おうとするが、自分のしたことをこれっぽっちも悪いと思っていない彼女は仁王立ちで私を睨んだ。
いや確かに絢子は悪いことしてないけど。
確かに彼女の言う通りだけど。