ブラックレター~高嶺の花に恋します~




仕事はしっかりこなそうと頑張ってくれている。




「今度はドラマの撮影ですね。ついこの間映画が終わったばっかりなのに」


「まぁ、そんなに出番があるわけじゃないけどな」


「またまたそんなこと言ってー!今調子最高じゃないですか!」




謙遜上手なんですから!と軽い調子で言う神崎くんの言葉を段ボールをリビングの机の上に置きながら笑って流す。


こういう軽い会話も彼は大得意だ。

俺は、あまり向いていないけれど。


人の懐にするりと入っていけるのも彼の凄いところだと思う。


そして彼の言う通り、最近は仕事がすこぶる順調だ。

有り難いことに仕事がくるというのもあるが、何より自分の調子がいい。


その理由を俺はわかっていた。




< 81 / 188 >

この作品をシェア

pagetop