ブラックレター~高嶺の花に恋します~




だけど苦手なのだ。

眩しい光に当たるというのは。あまり、慣れていない。


それが例え人の言う優しい木漏れ日だったとしても、私には眩しすぎる。

その存在そのものが。




「浴びなくても死なないよ」


「カビにでもなる気か。この基礎体力なし女が」


「……」




なんとか言い返した反論も、彼女の一言でバッサリと切られた。


その通りである。

家からたかだか10分の距離にあるコンビニにすら辿り着けないことがあるくらい、精神的にも肉体的にも基礎が衰えている私。

正論すぎてもう何も言い返せない。




「で?なんて人なの?」




何も言い返してこない私に満足したのか、ベッドに向き合うようにしてカーペットの上に腰を下ろした絢子。




< 9 / 188 >

この作品をシェア

pagetop