ブラックレター~高嶺の花に恋します~
だけど苦手なのだ。
眩しい光に当たるというのは。あまり、慣れていない。
それが例え人の言う優しい木漏れ日だったとしても、私には眩しすぎる。
その存在そのものが。
「浴びなくても死なないよ」
「カビにでもなる気か。この基礎体力なし女が」
「……」
なんとか言い返した反論も、彼女の一言でバッサリと切られた。
その通りである。
家からたかだか10分の距離にあるコンビニにすら辿り着けないことがあるくらい、精神的にも肉体的にも基礎が衰えている私。
正論すぎてもう何も言い返せない。
「で?なんて人なの?」
何も言い返してこない私に満足したのか、ベッドに向き合うようにしてカーペットの上に腰を下ろした絢子。