裏表ガールも恋をする
そのまま他愛もない話をしながら歩いた。
『…ねぇ、颯太君。今日ってどこ行くの?私、聞いてないんだけど。』
隣だけど私を導くように少し前を歩く颯太君。
ちゃんと伝わるように、私は颯太君の服の裾を引っ張った。
「…っと。あー。まぁ。定番の遊園地か水族館?どっちにしても隣町だし、とりあえず、駅まで行くけどな。つか、どっちがいい?」
私に引っ張られた颯太君は、驚いた様子で私の顔を見てから話した。
颯太君のことだから、何も考えてないかと思ったけど、一応どこ行くかは考えてあったんだな。