裏表ガールも恋をする
その言葉で、クラス全体が一気にざわめいた。
「え!結菜ちゃんが男子呼び捨てにしてる!!」
「女子でも、楓ちゃん以外呼び捨てしてないよね!?」
「颯太君だって、呼び捨てにしてる女子いなくない??」
「お、おい、颯太と結菜ちゃんってもしかして…」
「嘘だろ!?付き合ってんのか!?」
わぉ。言われ放題。
てか、こうなること予想できてたから嫌だったのに。
そんなざわめきの中で、颯太は私を見て満足気に微笑んだ。
…一瞬の出来事だった。
颯太が、私のいる方へ向かって走ってきて、私を後ろから抱きしめたんだ。
…まるでみんなに見せびらかすように。