裏表ガールも恋をする
それで、私はあることに気がついた。
『あ、体育祭。ギリギリだ。』
「……………あぁ。」
このままでいったら、治ってても見学だよね…。
うそ。楽しみにしてたのに。
私があからさまに残念そうな顔をしたからなのか、颯太が深刻な顔で口を開いた。
「ごめん。俺が教室にいなかったから。俺が、結菜を守るって決めてたのに。守れなかったから。俺のせいだ……。」
颯太は、拳を硬く握りしめていた。
『なんで?颯太のせいじゃないよ?私が、紗江ちゃんについて行ったから悪いの、自業自得だよ。』
そう言って、私は自嘲気味に笑って、颯太の拳の上に手をおいた。