裏表ガールも恋をする
「ちょ…。え、大和!!どういうこと?なんで?なんで颯太君が、竹宮と出て行くの??ねぇ、大和……。ねぇ!!!」
「…俺にも…わかんねぇよ………。」
理解しがたい状況に、楓と大和は頭を抱えるようにして沈んでいった。
そんな中で、私は自分でも驚くほど冷静だった。
ショックを通り越して、他人事のようになってしまったんだと思う。
…多分、もうすぐ私と颯太は別れることになるんだろうな。
なんて考えて、座っていた。
『…楓。私帰る。…やっぱり、怪我が完治するまで家にいる。』
それだけ告げて、私は、車椅子を自分で動かしながら帰った。