裏表ガールも恋をする


私が教室に入ったのは、授業がちょうど終わって昼休みに入ったときだった。


『かーえで。』


いつもみたいに、みんなに挨拶することはせず、楓のところにちょこちょこと近寄った。


「うぉ!結菜!!え、ちょ!くるなら言ってよ!!って、普通に歩けてるし!なになに完全復活!?」

『はっ。相変わらず元気いいね。おかげさまで完全復活。まぁ、体育祭はサボるけど。』

「きゃー!結菜ぁぁ良かったぁ!!!」


「おっす、鈴森。久々だな。」


騒ぎ出した楓の後ろから登場したのは、いくつかのパンを持った大和君。


『おーぅ。あぁ、お二人さん昼飯か。んなら、私は、お邪魔やねー。』


…屋上…は嫌だから、中庭にでも行こかな。


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