裏表ガールも恋をする
『楓の言う通りだ。でも、無理やりしかないじゃん!もう、諦めるしかないんだから…無理やり忘れていくしか方法ないんじゃん!!
…どうせ分かんないよ。こんな気持ち。幸せな人には分かるわけないもん!!』
…パンッ!!
突然のことで、びっくりした。
楓に頬を叩かれたんだ。思いっきり。
「……馬鹿結菜。」
そう言って、私の部屋から出て行く楓を私はただだ呆然と見ていた。
心配してくれて、それで言ってくれた楓に、こんな怒鳴って本当に私は最悪だと思う。
分かってる。
こんなのただの八つ当たりだよね。
…羨ましかったんだ。
幸せそうな楓が。
私なんかいなくても、どんどん幸せになって行っちゃう楓が。
…あぁ。私馬鹿だ。
楓まで失ったら本当に私は1人なのに。