裏表ガールも恋をする
私は、颯太の腕を離して、紗江ちゃんに近づいた。
ーーーパンッ
大きな音を立てて紗江ちゃんの頬を1発。
私の右手がジンジンと熱をもった。
『これが、落とし前ね?』
そう言って私はニヤッと笑ってやった。
「なによ、あんたたちっ!!」
クラスメートの前で殴られたことが、よほど屈辱だったのか、顔を真っ赤にして怒鳴ってくる紗江ちゃん。
『んー?なんだろうね。でも、これだけは伝えとく。私は、颯太からもう離れない。…あんたたちになにされたって、離れてやんないから!!』
その言葉を黙って聞いていた颯太がニヤッと笑ったのがわかった。
「結菜、よく言った。」
そう言って私の頭を撫でると、颯太はクラス全体を見渡した。