裏表ガールも恋をする
「…でさー。って、楓。聞いてんの?」
『……うん?あー、聞いてるよ。』
ふわふわとした返事を返す私を、疑いながらも話を続けた。
『ところでさ。』
「ん?」
『あの子ら、放っといていいの?』
私は、さっきから気になっていたことを口にする。
私たちの教室のドアには、たくさんの他クラスの子が来ていた。
……結菜に会うために。
「あー?いーのいーの。あんなん相手してたらキリがないってー。」
『なんていうやつだ。』
馴れたようにあしらう結菜を見て、私は苦笑いをした。